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進路・進学 -- 卒業生インタビュー
進路・進学NEXT STAGE
卒業生インタビュー
前橋育英での学びを礎に、多岐にわたり活躍している先輩を紹介します。



受け継がれる前橋育英のDNA。

現在の前橋育英生と、かつての前橋育英生が教員とともに、
「前橋育英で良かったと思える理由」「夢」... を語ります。


佐々木 毅志さん 医師
普通科(平成12年度卒)
(前橋鎌倉中出身)


左から
品川 稜斗 普通科Ⅰ類 3年(桐生境野中出身)
内海 翔吾 普通科Ⅰ類 3年(前橋三中出身)
佐々木 毅志さん 医師 普通科 (平成12年度卒) (前橋鎌倉中出身)
手島 正弘 前橋育英高等学校 教諭 (理科)
小宮 莉菜 普通科Ⅰ類 2年(前橋芳賀中出身)
樋口 かれん 普通科Ⅰ類 2年(前橋南橘中出身)


【手島】今日はお忙しいなか、ありがとうございます。久しぶりですね。お会いするのは何年ぶりになるでしょうか。

【佐々木】9年ぶりだと思います。

【手島】最後に会ったのは、沖縄に行く前でしたね。

【佐々木】はい。群馬大学医学部卒業後、利根中央病院で2年間研修医として働いた後、さらに整形外科の研修プログラムを受けるため、沖縄の病院に入りました。その時、壮行会をしてもらったのが最後だったと思います。

【手島】そうでしたね。仕事は忙しいですか?

【佐々木】6年前、群馬大学医学部附属病院に戻りました。今は大学で研究をしながら、手術や外来を担当しています。群馬に戻ってきてから、大学院に進学しました。2018年3月に修了し、この4月からは研究生として基礎研究を続けています。

【樋口】医師を目指したきっかけは何だったのですか?

【佐々木】医師である父親の影響で、物心がついた頃から、なんとなく医師になろうと思っていました。それから、私の姉は生まれつきの重い病気で、自分も将来、医師になって、姉を診たいと子どもながらに思っていたのだと思います。他の仕事をしようと思ったことがなかったので、ただ、ひたすら医師になることしか考えてなかったですね。皆さんは医学部医学科を目指しているのですか?

【内海】まだぼんやりですけど、医学部医学科にいきたいと思っています。ただ、今、英語が苦手で、苦手科目の対策はどうしたらいいのでしょうか?



【佐々木】英語は比較的得意でしたが、歴史や社会が全般的に苦手でした。記憶力もいいほうではなかったので、一つのことを覚えるために、2、3枚の紙にひたすら書き続けて覚えました。深くやりすぎるよりは、浅くてもいいから回数をいっぱいやることが大事だと思います。100を1回やるのだったら、50を2回やった方がいいし、50を2回やるよりは、25を4回やった方がいい。そういう癖をつけた方がいいのではないかなと思います。

【手島】いいアドバイスをもらえましたね。

【内海】はい。ありがとうございます。

【樋口 】医師になるために相当の勉強量が必要になると思うのですけど、勉強は好きだったのですか?

【佐々木】勉強が好きだったかと聞かれると、当時より今の方が、勉強が好きかもしれないですね。医師という仕事には、ゴールがないのがいいことだと思っています。いくらでもステップアップできる。今も臨床と研究を両立しながら、勉強を続けています。

【小宮】医学部合格のために大切なことはありますか?

【佐々木】自分の立ち位置を知ることだと思います。模擬試験を受けて、偏差値だけを見てもあまり意味がありません。自分ができなかった問題を復習することが大事。他の人が出来ることを自分も出来るようにすることは、絶対に必要なことだと思うのです。あとは、覚悟を決めて、勉強をする。同じような方向を目指す人と情報共有もした方がいいですね。どんなジャンルに進むにしても、一人よがりになってしまうと、失敗してしまうことが多いと思います。もちろん、入試は、一人ひとりの競争になってしまうのだけれども、情報をなるべく共有して、みんなで協力していくことも大事だと思います。

【品川】医師になって、よかったことを教えてください。

【佐々木】私は整形外科の医師をしています。整形外科は、骨折や脱臼、ねんざ、加齢による関節の変形といった疾患に対し、治療を通して痛みの緩和や機能回復を目指します。痛みがやわらぎ、喜んで病院を後にする患者さんを目の前で見られることは、とてもうれしいと思います。



【樋口】高校時代、どのようなことを頑張っていましたか?

【佐々木】勉強とPIFAの活動です。

【手島】PIFA(赤ちゃんを守る会・1999年〜2002年活動)というのは、乳幼児のための心肺蘇生法を多くの人に知ってもらおうと活動していた、前橋育英の高校生を中心としたボランティアグループです。佐々木さんはPIFAの企画・進行・運営等に大活躍してくれました。前橋育英の視聴覚室で約150人の保育士さんを対象に開いた乳幼児の心肺蘇生法講習会には、50人程度の救急救命士さんがサポートに集まってくれました。その中で、佐々木さんは、堂々と司会進行をつとめあげたのです。

【佐々木】そんなに堂々としていましたか?

【手島】本当に立派でしたよ。佐々木さんたちを見て、高校生は、とてつもなく大きいパワーを持っているとよく感心させられたものです。それは、今の高校生も同じ。なかなかそういう力を発揮するチャンスがないだけで、やればみんなすごい力を持っていると思っています。



【佐々木】前橋育英には、さまざまな進路を目指す個性豊かな生徒が多く、私はとても楽しい高校生活を過ごせました。それまでは、決まったレールを似たような価値観や目標を持つ人と進んでいくものだと思っていたのですが、前橋育英では、さまざまな友達がいて、楽しかったですね。先生方も面倒見がよく、私の疑問に納得できるまで付き合ってくれましたね。受験の技術を教えるだけなら、そんなことは考えなくていいから覚えなさいと言われて終わりだったかもしれませんが、前橋育英の先生方は最後まで付き合ってくれました。一番良かったと思うのは、手島先生に出会えて、勉強 以外に打ち込めるPIFAに出合って、活躍の場を与えていただけたこと。すごく感謝しています。

【手島】当時、救急救命士さんから、前橋育英の生徒はすごいねと褒められるたび、私自身も誇らしい気持ちでいっぱいでした。

【品川】医師になるという意思の強さの源は何だったのですか?

【佐々木】医師しかないと自分で決めていました。医師以外の選択肢はないと自分に言い聞かせて進んでいたように思います。私は、頑張れば頑張っただけ、人生を切り拓くことはいくらでもできると思っています。世界に羽ばたくチャンスは誰にでもあると思うので、視野を狭くしないで、明るい未来を信じて頑張ってほしいと思います。


日本一の監督対談
夏の甲子園(2013)初出場・初優勝×冬の高校サッカー(2017)全国制覇
ふたりの日本一の監督が「監督とは」「前橋育英の魅力とは」...を語ります。


荒井 直樹
前橋育英高等学校 硬式野球部 監督
山田 耕介
前橋育英高等学校 校長
男子サッカー部 監督


●監督としての使命とは...

【山田】サッカーのうまい下手よりも、人間として立派にやっていけるかが大事だと思っています。「サッカーは子どもを大人にするし、大人をジェントルマンにする。その手助けをするのが、監督の仕事。」これは、日本サッカーの父と称された、ドイツのデトマール・クラマーさんの言葉であり、私の師匠である小嶺監督からもらった言葉でもあります。スポーツを通して、規律や思いやり、感謝の心を学んで大人になっていき、大人がさらに立派になっていく。そこを一番大事にしています。

【荒井】私も、チームづくりは人づくりだと思っていますね。この人と一緒に仕事がしたいと思われるような人になってほしいです。高校を巣立った後からの人生の方が圧倒的に長いですし、野球がちょっとうまくても世の中に出たら、何にも役に立たないですから。自主的に感じて動いて、人の役に 立つ人間になるためには、どうすべかを学んでもらうことが大事だと思っています。

【山田】そうだね。もちろん、勝負に関しては戦術があり、技術も必要になってくるけれど、もっと大切なのは、人間力。いつも使う言葉に、(技術+身体能力)×人間力があります。つまり、技術や身体能力があっても、人間力がゼロだったら、すべてゼロになるということ。人間力は、気づく力や思いやり、優しさ、強さ、人の話を聞けること、自分の考えをきちんと表現できることなどで、サッカーにおいても、人生においても、この人間力が必要だと思っています。

【荒井】まったく同じですね。やるからには勝ちたいですし、甲子園に行きたい、甲子園で優勝したいと、常に思っています。ただ、それだけではない。試合に出て活躍することだけではなく、ベンチの選手もスタンドの選手もそれぞれにいろいろな役割があり、チームとして、どれか一つ欠けてもダメなんだと、生徒によく話をしますね。

●監督になったきっかけ

【山田】高校時代の恩師、小嶺監督の影響が大きいですね。いい指導者がいることによって、いい選手は 絶対に育つということを学びました。小嶺監督の熱意と愛情は本当にすごかった。教職をとって高校で サッカーの指導者になろうと、大学2年のとき、決めました。

【荒井】現役時代はまったく指導者になるという気持ちはありませんでした。高校を出て社会人チームに入って、31 歳まで現役で野球をやらせてもらい、その後、母校から監督に誘っていただきました。実は、僕は人見知りで、今でも人前で話すのは得意ではありません。確かに、最初はうまくいかなかったことの方が多かったですね。そのうち、前橋育英でお世話になることになって。そのころ、出会ったのが「凡事徹底」という言葉でした。本物とは中身の濃い平凡なことを積み重ねること。この言葉こそ、求めていた言葉だと感じて、以来、座右の銘にし、監督となった前橋育英硬式野球部のスローガンにしました。

【山田】凡事徹底。奥が深い。いい言葉 だね。

●理想の監督像

【山田】現役の頃から、監督の言葉が絶対というようなファシズムは大嫌いでした。サッカーに絶対はない。これをやれば絶対いい選手になるとか、絶対に優勝するとか、絶対はありっこない。日々の積み重ねしかないのです。だから、コミュニケーションをよくとることを大事にしています。

【荒井】そうですね。現役時代、高校を含めて6人の監督の下で野球をやってきて、そのいいところを理想の監督像にしています。山田監督とまったく同じで、監督の言葉が絶対とか、頭ごなしにするのは嫌ですね。ガツンとやると、裏表のある生徒になってしまうと思っています。

【山田】そうですね。

【荒井】グラウンドでも教室でもどこでも態度が変わることなく一緒というような人間になってほしい。一人ひとりとコミュニケーションをとって、大人にもきちんと話ができるということを大事にしたいなと思います。



●考えるサッカー・考える野球

【山田】サッカーの試合では、選手たちに私の声はなかなか聞こえません。話ができるのはハーフタイムだけ。リズムが悪い時は、「とにかくハーフタイムになってほしい」と思うものです。だから、試合には相当の準備をして、選手たちを送り出します。あとは、選手たちが自分たちで話し合い、判断していく。自分たちで考えて判断してプレーする部分がサッカーには必要になってきます。

【荒井】私も選手同士で会話をどんどんさせますね。練習前も試合が終わってもまず、選手同士で話をさせて、それから私が話をしています。

【山田】われわれの仕事、つまり、教育というのは、自分で判断して自立していく、そこまでできるような人間に育てていくこと。監督やコーチから言われてから話し合いをするのではダメなのです。

【荒井】そうですね。選手同士で感じたものを大事にさせたいです。

【山田】可能性を引き出すことが、われわれの一番の仕事なのかもしれないですね。その可能性をサポートしていくこと。学校も同じ。生徒にはそれぞれ長所があり、短所がある。長所を引き出して、その良さを伸ばしていく。そこには無限の可能性があるので、それを伸ばしていく学校でありたいですね。



●生徒へ伝えたいこと

【荒井】高校野球の監督になって、本当に良かったと感じています。甲子園という目指す舞台があるのもそうですけど、生徒たちの成長する姿を見られるというのも一つの魅力なのかなと思いますね。誰かのために、チームのためにとか、人間だけが人のために役立っていることに喜びを感じられると思うのです。高校野球もそうですし、日々の活動を通じて学んでいってほしいと思います。それを伝えられるのが高校だと思っていますね。

【山田】そうですね。高校3年間は、本当に成長、進化できる時間です。こんなに成長するのかと感心してしまうほどです。だからこそ、指導者の一つひとつの言葉に、ものすごく影響力がある。だから、丁寧にしかも熱意があって、生徒と本気で向かい合うことが必要になってきますね。

【荒井】そうですね。生徒は本当によく僕たちを見て、いろいろなことを察していますからね。

【山田】だからこそ、本気でやらないと、見抜かれてしまう。本気と本気のぶつかりあいがないとダメだと思いますね。

●前橋育英の魅力とは

【荒井】運動部に限らず、生徒の表情がいいですね。前橋育英にくると、前向きな人間が集まって、それがいろいろなプラスアルファを生んで、将来にも良い影響を与えてくれることがたくさんあるのではないかと感じています。

【山田】自分の目標に向かって成長・進化してもらう場所が、前橋育英高校。そのサポートをしていくのが、われわれです。今後も頑張りましょう。

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